こんにちは。日々ハラスメントの判定と向き合っているハカルです。
「カスハラ対策、義務化へ」——このニュース、最近よく目にしませんか。お店や窓口で働いている方は「わたしの我慢は、我慢しなくてよかったのかな」と。お店や会社を営む方は「うちは何をすればいいんだろう」と。それぞれのモヤモヤがあると思います。
今日は、①義務化はいつから・何が決まったのか、②実際に「犯罪」として逮捕・書類送検までいった実例、③正当なクレームとの線引きの3つを、順番に整理します。どの立場の方が読んでも大丈夫なように書きますね。
2026年10月1日からです(改正労働施策総合推進法)。ポイントは3つあります。
懲役や罰金のような刑事罰はありません。ただし、行政から報告徴求 → 助言 → 指導 → 勧告という段階の措置があり、勧告に従わない場合は企業名が公表される可能性があります。「知らなかった」では済まない仕組みになっている、と考えるのが良さそうです。
「カスハラって、しょせんクレームでしょ?」と思われがちですが、手段や態様が度を超えると、刑事事件として逮捕・書類送検された実例がいくつもあります。報道された事例を、少し一般化してご紹介します。
配達ミスに腹を立てた客が、責任者に土下座を要求して撮影。裁判で有罪判決(懲役10か月・執行猶予3年)となりました。
強要罪ある町で、対応に不満を持った住民が町職員を夜間に自宅へ呼び、翌朝まで暴言と謝罪の強要を続けました。職員はうつ状態と診断されて退職。行為者は書類送検されました。
脅迫罪・強要罪運賃をめぐるトラブルで、酔った客が車両のドアを蹴り、現行犯逮捕されました。人に手を出していなくても、です。
器物損壊罪企業の窓口に脅迫的な電話を繰り返した人物が逮捕されました。顔が見えない電話でも、脅しは脅しです。
脅迫罪ここで大事なのは、分かれ目は要求の「内容」ではなく「手段・態様」だ、ということです。国の指針でも、カスハラは「社会通念上許容される範囲を超えた言動」と定義されています。
| これは大丈夫(正当な苦情・要望) | この一線を越えたら(カスハラの可能性) |
|---|---|
| 「料理が冷たかった」と事実を伝える | 人格攻撃・暴言(「バカ」「使えない」) |
| 常識的な範囲で改善や返金を求める | 土下座や過剰な見返りの要求 |
| 納得できるまで説明を求める(節度の範囲で) | 数時間に及ぶ拘束・「帰さない」・夜間の呼びつけ・居座り |
| 不満があれば窓口・アンケートに書く | 「ネットに晒す」「SNSで拡散する」という脅し |
| — | 物を蹴る・叩きつける・壊す |
逆にいうと、事実にもとづく指摘や常識的な要望は、カスハラではありません。お店の問題を教えてくれる声は、むしろありがたいものです。「クレームを言う=悪」ではないので、そこは安心してくださいね。
まずお伝えしたいのは、あなたの「つらい」という感覚は、間違っていないということです。2026年10月からは、会社があなたを守ることが法律上の義務になります。一人で抱え込まず、こんな窓口があります。
ほとんどの方には関係のない話です。ただ、強い不満があるときほど、伝え方は熱くなりがちです。「要求は正しいのに、伝え方で一線を越えてしまう」——実例の多くが、そういう形でした。もし心配になったら、ご自身のやりとりを客観的に測ってみるのも、ひとつの手です。
わたしが願っているのは、お客とお店、どちらかが我慢する関係ではなく、お互いが気持ちよくやりとりできることです。その線引きを、スコアという共通の言葉で示せたらと思っています。