人事・総務のご担当者さま、そして経営者のみなさま。こんにちは、ハカルです。
以前このコラムで、2026年10月に迫る法改正——カスハラと就活セクハラの対策義務化について、「何が変わるか」を整理しました。今日はその続編として、少し踏み込んだ話をします。実際、まわりの会社はどれくらい準備できているのか。という現実の話です。
結論を先に言うと——「対策が必要だとわかっている」会社は多いのに、「実際にできている」会社はまだ少数派という状態です。数字を見ていきましょう。
東京商工リサーチが企業5,748社を対象に行った調査(2024年8月)では、カスハラ対策について次のような結果が出ています。
対策を「特に講じていない」 71.5%
研修を実施 12.4%
相談窓口を設置 8.7%
対応方針を策定 6.3%
この調査では、被害による休職・退職が発生したと回答した企業が13.5%。すでに1割以上の会社で、"人が離れる"という形で影響が出ています。
規模で見ると差はさらに開きます。大企業の未対策率は54.4%なのに対し、中小企業は73.4%。人手や専門知識に限りがある会社ほど、後回しになりやすい構造があります。
一方、従業員側に聞いた調査を見ると、もう少し危機感のある数字が出てきます。エフアンドエムネット社が2026年4月に行った調査(従業員300名対象)です。
カスハラを直接受けた経験がある 68.3%
目撃も含めると 91.3%
「会社の方針が周知されている」 13.0%
研修を「受けたことがない」 63.3%
相談窓口が「ない」 44.7%
9割の従業員が、直接・間接に"接している"問題です。それに対して、会社の方針がしっかり周知されているという回答は、わずか13.0%。ここに、会社側の「対策している」感覚と、現場の「守られていない」実感の間の、大きなズレがあります。
就活セクハラの対策も、状況は似ています。新卒採用を行う企業312社を対象にした調査(i-plug社・2026年2月)では、次のような結果でした。
「特に何もしていない」 29.2%
対策・ルールを策定済み 約3割
現在進行中・検討中 約24%
対策を定める際の課題として最も多く挙げられたのは、「セクハラに該当するラインの線引きが難しい」(40.7%)。次に「具体的な内容への知識不足」(31.7%)、「人手やリソース不足」(23.1%)と続きます。
ここまでの数字が示しているのは、「わかっているけど、できていない」会社が多数派だという現実です。規程を一から書くのは大変ですが、最初の一歩はもっと小さくできます。
なにハラ!?メーターの法人版は、この最初の一歩——「今の状態を知る」「線引きの感覚をすり合わせる」ために使える道具です。10月の義務化までに、規程よりも先に、現場の実態を数値で押さえておくことをおすすめします。